イベント情報コンファレンス
2025年 GITA-JAPAN 第36回 コンファレンス開催のお知らせ
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高度経済成長期に整備された社会インフラは、老朽化が進む一方で、近年の自然災害の激甚化や頻発化により、被害の拡大といった課題が浮き彫りになっています。
そこで、今回のコンファレンスでは、デジタルツイン・AI等の次世代技術やGISがもたらす革新的技術を最大限活用した次世代の防災・インフラ基盤戦略を議論します。
特別講演 「競争と共創で拡がる地理空間情報ビジネス」
神武 直彦 氏
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授
スタンフォード大学デザインリサーチ研究所 招聘教授
- プロフィール
- 大学院修了後、宇宙開発事業団入社。H-IIAロケットの開発に従事。欧州宇宙機関研究員、宇宙研究開発機構主任開発員を経て、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。
宇宙戦略基金統括POなど各種政府委員。
現在、スタンフォード大学デザインリサーチセンター招聘教授として米国ベイエリアにて研究教育を推進。
著書に「いちばんやさしい衛星データビジネスの教本」(インプレス・2022年)など。
- アブストラクト
- 地理空間情報ビジネスは、衛星測位、リモートセンシング、GIS、AIなどの急速な技術革新に加え、官公庁、産業界、学術界における競争と共創によるダイナミズムを背景に、かつてないスピードで進化している。近年は、交通、物流、都市計画、防災、環境、宇宙などといった、多様な領域において地理空間データの価値が高まりつつある。しかし、これらの社会実装を成功させるためには、複雑に相互作用する利害関係者や技術、ルールといった様々なものを「システム」を構成する要素として捉える俯瞰的かつ緻密な視点が不可欠である。
本講演では、地理空間情報ビジネスをシステムとして捉えた際に、それらを構成する要素がどのようなもので、どのように構成されているのかということを、社会・技術・制度などの観点で論じる。次に、システムズエンジニアリングの観点から、要求定義、設計、統合、検証・妥当性確認といったプロセスを経てどのように価値のあるシステムを実現することができるのかということを紹介する。また、デザイン思考に基づくユーザー中心アプローチが、地理空間情報を用いたサービス開発においてどのように利用者の課題発見や価値創出を加速させるかを解説する。最後に、競争と共創がもたらすイノベーションの可能性、国際連携の必要性、そしてこれらを支える高度専門人材の育成について展望し、地理空間情報ビジネスが今後でどのような社会的価値を創出し得るのかを議論する。
